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あれこれ・あるがままに(第52回)    平成24年9月日

  
ひいきはうつりにけりな
 
 この9月、政権政党の民主党の代表選が21日行われ野田首相が代表に再選、一方最大野党自民党の総裁選が26日に予定され、マスコミは自民党が政権奪取の可能性があるということで各候補者の動向を大きく取りあげている。


 国の目下の重要課題は消費税問題や尖閣問題も当然であるが、ジジは国民の将来、人類の未来という観点からは福島原発事故を受けた後の原発政策が最重要課題であると思っている。そして、ジジの立ち位置は既に本コラムで次のような考えを述べてきた。
 第34回「想定外の想定」:(東日本大震災の直後)『原子力という自己増殖をする分野は人の手出しができない神が司る所管事項であるから、人が関与できる原子力・原子炉の利用は医療の面に限定すべき』
 第48回「世相雑感」:(夏の節電要請に関し)『「原発を再稼働しない」という前提ならば、「どんな節電要請でも辛抱できる』


 両党の原発政策について、最近次のようなニュースが報道された。


 <民主党>党政策調査会役員会は6日、党エネルギー・環境調査会(前原誠司会長)が取りまとめた提言「『原発ゼロ社会』を目ざして」を了承した。
 提言では、(1)40年運転制限を厳格に適用する(2)原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働する(3)原発の新設・増設は行わない――の3原則を厳格に適用する中で、2030年代に原発稼働数ゼロを可能にするようあらゆる政策資源を投入するとしている。


 <自民党>自民総裁選5候補、「原発ゼロ」そろって反対
 自民党総裁選(26日投開票)は15日、5候補による日本記者クラブ主催の討論会が都内で開かれるなど政策論争が本格化した。野田政権が目指す「2030年代に原発稼働ゼロ」の方針には、候補者5人がそろって反対。政権復帰後に方針を転換する可能性が高い。


 ジジの政党支持の本籍は自民党である。なお、地方選挙ではその選挙の状況によって候補者本位の投票行動をしてきたが、上記ニュースに接した後、民主党の原発政策に賛同し、来るべき国政選挙では小選挙区はともかく比例代表の政党支持は「民主党」にしょうと考えた。ひいきはうつりにけりなである。


 しかしながら、最近になって民主党は「原発ゼロ政策」の閣議決定見送り、また経産相が「原発ゼロは目標」と語るなど、ジジが賛同した政策の方向をどんどん後退させているようである。再度、うつりにけりな?


 ところで、原発問題は、経済合理性に軸足を置いた国民の利益という観点からは「原発ゼロ」は慎重にならざるを得ないところがあり、経済界は電力会社経営者でなくても原発による電力供給を肯定する。しかし、「国民の将来、人類の未来」を見据えた観点からは「原発ゼロ」を実現すべきであると考えるのである。














 


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