時事折々トップへ

        
あれこれ・あるがままに(第122回)    平成29年6月26日
                          
  
胸痛む事件!遠くて近きは?ハラスメント! 

1 はじめに(大阪府北部地震発生)
  去る6月18日午前7時58分頃、大阪府北部を震源として大きな地震が発生した。最大震度6弱を大阪府大阪市北区・高槻市・枚方市・茨木市・箕面市の5市区で観測し、地震の規模はMj 6.1であったたという。現在までに死者5名を確認し、負傷者数も2府5県で408名となっているとのこと。
 まずもって、犠牲者の方々に対し心からご冥福をお祈り申し上げます。そして、被災者の方々にお見舞い申し上げますとともに、一日も早いご回復をお祈りいたします。

2 胸痛む女児被害事件
  一つは、上記地震により高槻市内の小学校でプールのブロック塀が約40メートルにわたり道路側に倒れ、通学途中だった女児(小4)が巻き込まれ、命を落とすという、痛ましくも悲しい事故である。
 ジジの4人の孫のうち一番下が小4の女児であり、地震の影響が比較的大きかった大阪市天王寺区で住まいをしているので、ジジとたら婦人はとても人ごとではなく、胸張り裂ける悲しい思いでニュースを見守った。
 この事故は、その後ブロック塀が違法建築であったことが明らかになった。天災ではなく人災である。今後責任の所在を明確にする必要があると考える。

 次に胸痛むもう一つの件。このニュースには誰しも涙したのではなかろうか。今年3月、東京目黒区で発生した5歳女児の虐待死事件である。
 被害女児は自宅に手書きの文章を残していたそうであるが、警視庁が明らかにした文章の内容は以下の通り。5歳女児のこの文章、涙無くして読めるか!ジジとたら婦人は涙腺崩壊。
『ママ もうパパとママにいわれなくても しっかりじぶんから きょうよりか
あしたはもっともっと できるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします
 ほんとうにもう おなじことはしません ゆるして きのうまでぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきたことを なおします
 これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだからやめ る もうぜったいぜったい やらないからね
 ぜったい やくそくします』

3 米朝トップ会談
  今月12日、シンガポールでアメリカ合衆国(米国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の両国トップによる首脳会談が行われた。両国の首脳が直接顔を合わせるのは史上初のことであった。両国の関係は、直前まで、トランプ氏が金正恩氏のことを「チビのロケットマン」と嘲れば、金正恩氏は「米国の老いぼれ狂人」とやり返す始末で、きわめて低レベルの罵り合いが続いていたのである。それがあれよあれよという間のトップ会談開催。この出来事が後世の歴史上どのような位置づけになるのだろうか?
 この一連のニュースでジジの頭に浮かんだのは、「遠くて近くは男女の仲」ということわざである。
 両国は歴史的にも文化的にも繋がりが薄く、距離的には太平洋を挟んだ間柄である。なのに!ということで!ほんとに男女の間のように合理的には説明できない情緒的な道行きに思えたのである。

 さて、日朝関係では、日本政府が目下日朝トップ会談の実現を模索しているようである。これに関して、ジジはもう一つ類語が頭に浮かぶ。それは「遠くて近きは恋の道、近くて遠きは田舎の道」ということわざである。
 すなわち、日朝両国は、歴史的・文化的・距離的、何もかも近いが故に、あたかも近い身内が反目しあったときのように、返ってお互いを許し合うことができにくいのではないか。田舎の道のように「遠い道」になってしまうことを心配するのである。

 ところで、今回の米朝会談の実現については、韓国の文在寅大統領が重要な役割を果たした。同大統領は2017年5月の就任、トランプ大統領は同年1月の就任であるが、ジジは以前、両大統領の就任間もなくの時期に、トランプ氏については「トランプの嵐」として危惧感がある(あるがままに第105回)、文氏についてはノーマルで好感度がある(あるがままに第109回)と評して取り上げた。
 
 ここでは、米朝・日朝会談について、下記に転載した「串本節」の歌詞を引用して、ジジ流に軽い時事解説をしたいと思う。串本節は、本州最南端の町「串本町」に由来する民謡である。
 既に実現した米朝会談については、文在寅大統領のスタンスは仲を取り持つ「歌詞第一節」の立場であり支持する。しかし、果たして日朝会談についてはどのようなスタンスになるのであろうか?、戯れに、第三節の歌詞の替え歌を試みてみよう。
 「韓国に 文大統領あれど 日朝の闇路は 照らしゃせぬ アラヨイショ ヨイショ」という歌詞がハマるのではないか? すなわち、傍観的スタンスをとるのではないか?、と考えるのである。
   【串本節】
ここは串本 向かいは大島  仲をとりもつ 巡航船
アラヨイショ ヨイショ  ヨイショ ヨイショ ヨイショ

ここは串本 向かいは大島  橋をかけましょ 船ばしを
アラヨイショ ヨイショ  ヨイショ ヨイショ ヨイショ

潮岬に 灯台あれど  恋の闇路は 照らしゃせぬ
アラヨイショ ヨイショ  ヨイショ ヨイショ ヨイショ

4 スポーツ界のハラスメント
  最近、女子レスリングの伊調馨選手、日本大学アメリカンフットボール部などスポーツ界のハラスメントがニュースで度々取り上げられている。
 ハラスメント(Harassment)という語は現在よく使われているが、日本語訳すればいろいろな場面での『嫌がらせ、いじめ』である。「ハラスメント」と表現すると、ジジなどはなにか上品そうな響きに感じてしまうのであるが、この問題の本質に迫ろうとすると、横文字表現ではなく、日本語で、『嫌がらせ、いじめ』の前に『悪質な、または、陰湿な』という修飾語を置いた表現が理解しやすいのではないか。なお、その頭に『立場を利用した』という説明語を乗せればより本質に迫るのではあるまいか、と思うのである。
 “忠臣蔵”でおなじみの赤穂事件の背景事情について、「ハラスメント問題」と説明するより、「陰湿ないじめ」と説明するとする方がしっくりするのではないか。

 ところで、スポーツと法律の関係では、昭和36年に制定されたスポーツ振興法が平成23年に全面改正され、現在「スポーツ基本法」として施行されている。
 文部科学省の案内によると、『スポーツに関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務並びにスポーツ団体の努力等を明らかにするとともに、スポーツに関する施策の基本となる事項を定めるものです。』とあり、前文から始まり、5章まで35条からなる法律である。今回はじめてこの法律に目を通したが、スポーツを基本的人権的に捉えており、内容は賛成でき、必要な法律であると思った。
 しかしながら、文章が長い!くどい!、うんざりする。爽やかなイメージのスポーツを対象とする「基本法」であるから、もっと爽やかな印象を持つ法律にできなかったのか。スポーツ関係者であっても、はじめから最後まで読んだ人は少ないのではないか。ハラスメントの加害者の立場が多い高齢の指導者などは、前文の途中でパスしてしまうのではないかと心配するほどのくどさである。
 
 それにしても、前記胸痛む事件の5歳女児の書いた平かなの文章は、簡にして要を得ている、意味がよく分かる、伝わってくる。ご冥福を祈ります。