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         あれこれ・あるがままに(第5回) 
 平成19年10月14日

                           「めだか池」顛末記  

(最初のはじまり)
 今年(H19年)の夏は特別に暑かった。最近の温暖化という話題ではなく、この夏いっぱいかかった「めだか池」づくりの話題である。
 7月1日、ジジが開設しているホームページ(検索<庭の花おりおり>)7月ページ表紙の準備を始めた。そこに、「夏は水辺 メダカの一つ二つ泳ぐのも涼し」と書き込んだとき、子供のころ(もう55年ほど前にもなるのか)、家のそばの溝に「めだか」がたくさん泳いでいた光景がよみがえった。懐かしい!!とたんにそれまでの水蓮鉢ではなく池で泳ぐめだかを見たくなり、その日から自宅の庭でめだかを泳がせることに没頭することとなった。最初のデスクワーク、坪庭程度の狭い庭なので企画と設計図面に苦慮呻吟することになったが、そのジジの様子に、横から「たら婦人」が「いけ垣の棒樫の木を抜いてそこに溝を作ったらどう?」というグッドアイデアを宣わった。彼女は、ときどきリスクを無視した“珍”または“名”アイデアを出す。今回は後者であった。
(「たら婦人」と「ジジ」の由来→ たらたら・・・ 

(設計図面の準備)
 たら婦人のグッドアイデアのお陰で、溝部分は幅約30センチ長さ約4.7メートル、池部分は内面80センチ四方、深さも約80センチの規模となった。写真bPは、苦心した実施設計図面であり、7月中旬に完成した。

(工事施行)
 7月9日から棒樫の抜去作業と掘削作業を開始、作業の進行は写真bQ写真bR写真bS写真bU写真bV。一応の完成は8月16日。
 溝の設置予定場所は幅が狭いので、堤は厚さ3センの御影石で作った。材料は石材商を営む知人からの特別無償提供、人の世話はしておくもの。池の内面・底には船底塗料用のFRP(写真bU)を塗布し、これで「めだか池」一応の完成。

(ろ過の仕組み)
 池の水深は約80センチである。その池底中央部分に取水口をつくり、取水口から溝部分の下、地下約80センチのところで太さ10センチの塩ビパイプを約5メートル配管し、溝端でパイプを垂直に溝堤上部の高さまで立ち上げ、ここから揚水ポンプで水を汲み上げるのであるが、池底の水を汲み上げることになる(bP7)。そして、汲み上げた水をろ過装置下部から注入し、上部に出てきたろ過水を再び溝の端から注入(写真bP2)、溝を流れて池に至り水を循環させるという仕組みである。
 写真bW写真9はこのろ過装置であるが、外部箱は工具箱の下部1カ所と反対側上部2カ所に穴を開け、手作りしたもの。ジジの工夫は、この穴と注入・排水パイプの接続であったが、台所の流し台底部中央排水口を想定してもらいたい。その排水器具を工具箱横面に開けた穴に取り付けて完成させたのであるが、出来具合良し。

(したたり水落下装置)
 要は、写真bP1の水のしたたりを「滝」と言いたいのであるが、面はゆいので素直でない表現となってしまった。この装置は、揚水ポンプからの水をろ過装置の方と水落下装置の方とに分岐し、細いパイプを溝の下を通して池上まで配管、そこから水を落下させるのであるが、水道の蛇口のように一筋では面白くない。そこで、流し台の給水用シャワー蛇口や塩ビパイプのT字型継ぎ手の加工(Tの横一の部分三カ所に穴を開ける)を考え実験を繰り返した。実験の結果、T字型継ぎ手に穴を開けるのではなく、一直線の切れ込みを入れたところ(写真bP0)水のしたたり具合の形がよくなった。
 この装置により、池には常に水が落下するチョロチョロ音がし、また、溝の水注入口辺りはシャラシャラとせせらぎを流れる水の音、独りよがりであるがまことに心地よし。

(余談雑談)
 ろ過装置や水落下装置の製作を企画していた頃は、毎日のように仕事帰りの夕方5時半頃コーナンへ行っていた。夏場のジジの装束は麻地の上下スーツか綿地コードレーン織りのスーツにネクタイ姿である。その出で立ちで、毎日のように店内の水道用品や塩ビパイプのコーナー付近で商品の器具にメジャーを当てたり、考え込んでいるジジの様子が目についていたのか、ある日、女性店員が「なにかご研究でもされているんですか?」と声をかけてきた。ん!!。そんな上品なことではないので「ちょっとーめだかが・・・」、後は言葉が尻すぼみのサイレント。

(治水の難しさ)
 治水というと大げさであるが、水を意のままにするのは、たいへんに、たいへん難しい出来事であった。
 その1、溝の水は流れない。
 溝は、底に約10pの玉砂利、その上部約20pの水深とし、ポンプアップした水を溝端から注入することにより美しい水の流れを想像したが、そう旨くは行かなかった。水は流れない。ろ過装置から注入する水の量と水深のバランスがとれず、水の流れが見えないのである。
 そこで、溝の水深を浅くするため上げ底をし池に向かって高底差を作ったが、何せ水位に段差がないのであるから、流れの演出はポンプで押し出す水の量によって決まる。そこで、場水ポンプを2台とし(写真bW写真bP7)、一方の水を直接溝に注入するようにした。そして、溝の注入口付近の玉砂利を水面辺りの高さまで積み上げせせらぎを演出、一応水は流れるようになった。写真bP2。
 その2、水漏れ
 水はどんな小さな隙間も通り抜ける。頭の中では当たり前のことと理解し、それを前提に作業をしても、想定外のことが起こり水が漏れるのである。
 池と溝の本体部分は、念入りな検討とFRP塗装により水漏れが起こらなかったのは幸いであった。ところが、ついでに思いついた写真bP2の「水草植栽用の溝」と、これも途中からの思いつきで作った写真bQ1写真bQ5の「飛び石部分水溜池」で発生、治水の苦労は後述する。

(水草植栽用の溝)
 隣家との間のブロック塀部分は、これまでブロック塀を越える高さの棒樫の木を植栽し遮蔽用生け垣としていたが、今度棒樫の木を抜き竹垣風の人工垣根を設置した。その垣根の支柱は直径約10センチあり、このためブロック塀と溝堤との間に約10センチ幅の隙間が生じた。そこで、ブロック塀下部にFRP処理をし、その隙間部分に土を入れ、水を流し込み、水生植物を植えることとした。写真bP1写真bP2
 水漏れは、人工垣根の支柱部分から生じた。なかなか止まらない。8月の盆休みの頃の作業で、汗も止まらない。

(めだかの放流)
 8月末に水蓮鉢で飼育していためだかと知人らからもらった黒めだか約100匹を放流した。写真bT写真13


(井戸掘り)
 9月最初の土日に水草植栽用溝の水漏れも一応の補修ができたので、久し振りにアロチのネオン川の流れに遊んだ。遊んでいるうち、一人のホステスが「先生のホームページ8月の写真を拝見しましたよ!温泉の露天風呂風なんですね!」と言い、続けて「温泉といえばかけ流しの方が気持ちがいいですよね!」と言った。ウン!そうだ!かけ流し用の水を汲み上げる井戸を掘ろう!
 写真bP4は打ち込み井戸掘削の様水。水が出た!水量豊富。ところが、残念ながら少し塩分が混じる。それはこの敷地が和歌川河口付近の汽水域沼地を埋め立てて宅地化した場所に立地するので、ある程度予測していた。しかし、救いはめだかは塩分に対する対応力があり、汽水域でも十分棲息することができるそうである。早速塩分濃度計を購入して測定したところ濃度は0,2%〜0.5%のであり、めだかの棲息条件には十分可能範囲であったのは幸いであった。塩分濃度は、井戸水を汲み続けると徐々に上がり、夜にかけ流しをストップしておくと朝の濃度はダウンしている。恐らく、塩分は比重が高いので時間が経つと下に溜まり、朝は水位の上の方の濃度が低くなっているのであろう。写真15写真16写真17写真18

(飛び石部分水溜池)
 井戸を掘ってから水をかけ流しにするようにし、オーバーフローの水処理のついでに飛び石部分に水溜池を作った。写真bP9写真bQ0写真bQ1写真bQ2写真bQ3写真bQ4写真bQ5
 この作業も苦労した。この作業は9月にあった2回の3連休に汗を流したが、先ず飛び石の移動作業である。直径約40センチ、厚さ約13センチ余り、重さはジジの体重(55キロ)ほどもあったのではなかろうか、これをこれを渾身の力を振り絞り(針金に味噌の体型からは余り力は出ないが)やっとのことで一時的に移動し、底に防水コンクリートを張った。コンクリートが乾いてから元の飛び石のところの池底にブロックを置き、その上に再度飛び石を戻した。火事場の○○力ならぬ、めだか池のジジ力。
 翌日恐る恐る予定水位まで水を張り、一晩おいたところ、予定水位の半分近くまで下がっていた。またまた水漏れである。ええい!ままならないことの多いことよ!そこで水漏れ箇所の究明のため再度水を張り時間をおいて様子を見たところ、同じ水位で止まるのである。結局、水漏れはそこより上ということであるから、その上の石組みの間をコンクリートで補修し、ようやっと止まった。

(副次効果)
 炎天下の中で約2ヶ月半の作業により、痩身のジジの体重2キロ減。しかし、良い方の効果は糖尿の空腹時血糖値が薬を服用しながらの上ではあるが、120前後と推移するようになったのである。嬉々。合掌。

 
                 

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