週刊報道ワカヤマ Y51(2006年2月10日) 時 事 折 々 (第13回) |
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たらたら・・・ (表題 編集人藤原無我氏) |
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時 事 折 々 田 中 昭 彦 1月のある日、本誌編集人の藤原無我氏が時事(爺)の自宅にぶらっと顔を見せた。その ときの雑談の一節。 「時事折々の中で奥さんのことを同居婦人とか高齢婦人とか書いてますが・・」 「ん?」 「そのような表現はどうでしょうか・・素直に妻≠ナいいんと違いますの?」 「うん?そうやろか。素直でないのは百も承知にしても、シャイな(と思っている)男が妻と 共に≠ネどとじゃらじゃらよう書かん。面白ないし、シャレにもならん!」 と、そのときはいきまいてみたが、ここはよーく考えて、「カモカのおっちゃん」に習ってみよ う。小説家田辺聖子氏はそのエッセーの中で、夫のことを右のように表現し、揶揄と尊敬の 入り交じった他愛なくも滋味に富んだ話を展開されている。「咬もか」は関西弁でいうところの 「いっちょかもか」であり、儲け話や面白いことに横合いから一枚咬むいっちょかみ、つまり何 にでも首をつっこむこと。「カモカ」はその辺からきていると思うが、氏の夫がそのような人で あったのか、創作なのか、いずれにしても氏のユーモア発露の真骨頂である。 さて、それに習って名付けたのは、恐れ多くも面白く、「たら婦人」のニックネーム。「子」は 付かない。なお、この際その兼ね合いで「時事(爺)」も改称したいが、「じじ」では爺むさい気 がして、以後「ジジ」とする。「たら婦人」のネーミングの所以は、彼女がジジの行動にやたら 「あのときこうしといたら」「あそこはこう書いたら」「たら、たら・・」と、うるさく口出ししては批評 をはさんでくることからである。 「たら」のワードからの連想は鱈。『鱈ちりと雪道は後がよい』(鱈ちりは煮込む程に身も汁 も美味しくなり、雪道は人の歩いた後がよい)という警句があるが、これは雪との関連の比 喩、鱈の字は魚偏に雪、鱈ちりは雪国が本場である。ジジの「鱈」の馴染みは、鱈子・白子・ 明太子と、ここは「子」付き。おせち料理の重箱の棒鱈の煮染めくらいか。 関西の魚ちりのたねは、テツ、ハゲ、クエなど、中でも南紀であがってくる20キロ級のクエ は絶品というほかない。 冬の鍋料理は旨いが、もはやジジ好みの家庭料理ではない。食欲旺盛な娘の夫でも加わ り、適当に鍋奉行をしながら食べっぷりを見るのは楽しく酒が進むが、たら婦人と二人の食 卓では、そのこしらえを見ただけで量が多く映ってげんなりし、食の途中でも「できすぎてしま うぞ」などと言っては自身の食の退化にまたげんなり。であるが、たら婦人は、ジジのような 繊細な悩みはなく下ごしらえが楽なのも良しか?。また、鍋はどちらかというと牛豚より魚ち り好みで、テツは唐揚げも好みである。ジジは油物は油目(アブラメ)の煮付けくらいが丁度 でアキラメ。アア! |