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あれこれ・あるがままに(第99回)    平成27年7月24日
                          
  
ガ ス 欠 エ ン ス ト
 エンプティランプ(燃料残量警告灯)
 自動車を運転しているとエンプティランプ(燃料残量警告灯)が点灯し出したのに、次のガソリンスタンドまでどのくらいの距離があるのか分からず“ひやひや”したということがあると思います。しかし、現実にガス欠でエンジン停止にまで至ったということは殆ど無いのではないでしょうか。自動車には各ランプの球切れ、サイドブレーキ解除、シートベルト着用等各種警告灯が設備されていますが、中でもエンプティランプは有用な機能であると思います。
 ところが、ジジの自家用車ジャガー・ディムラーWは高級車であるにもかかわらずエンプティランプの設備が無いのです(第87回:ジャガー現役記事参照)。そのためジジがこの車に乗り出してからの25年のうち3回ガス欠のエンストトラブルに見舞われたことがある。

 ジジの車にもフューエルメーター(燃料計)自体は当然設備されているが、燃料メーターは普段のガソリン給油時期の目安にはなっても、「あと何キロしか走れない」という切羽詰まった警告的な役割は期待できない。
 この車の給油システムはどうなっているかというと、この車には、片方で45リットル入る独立のガソリンタンクが二つ後部の左右に分かれて設置され、メーターは一つであるが両方のタンクを合わせた合計残量の表示ではなく、現在エンジンに送油中のタンクの残量が表示されるようになっている。よって、そのメーターがエンプティに近づけばボタンを手動操作で押して左右のタンクの切り替えをするのであるが、切り替え後は切り替えた方(エンジンに送油を開始した方)のタンクが満タンであればメーターもフルを表示する。
 そうすると、タンク切り替え後のガソリンの残量に関してはエンプティランプがない燃料メーターのみになってしまうので、ガソリン給油時期の注意が特に肝要になる。(両方が満タンの時は片方が空にになってもタンクを切り替えればもう片方つかえるので、たとえ片方が空になってエンストしてもワンタッチで送油タンクの切り替えができるので、大きなガス欠トラブルにはならない。)

 ガス欠エンストの症状
 ご参考のため(全ての自動車にエンプティランプの設備があるので参考にならないと思うが、)ガス欠でエンジンが停止する症状は、先ず??アクセルを踏み込んでも回転が上がらない(エンジンが噴かない)??そして次の瞬間エンジンが再起動してしばらく走る。エンジンが起動したりしなかったりの不整脈症状とは違い、アクセルを踏み込んでも回転が上がらず、しばらくしてエンジンが停止しているのに気付くのであるが、その後いくらセルモーターを回してもエンジンは起動しない。このあたりでようやくガス欠によるエンジン停止と気付くという経過である。

 1回目のガス欠エンスト
 20年近く前になるであろうか?友人の手配で中軽井沢の個人所有別荘に滞在したときの帰り、佐久市辺りで起こった。この別荘は有名経済人が建てたという本格的で豪勢な別荘建物、中軽井沢に広がる別荘地の一角にあり、全体が自然林で、広い敷地は隣の敷地との囲いのような無粋なものはなく隣家も直接には見えない距離が保たれている。主寝室のほかゲストルームが2室、納戸、そして広い素敵なリビングダイニングは30人以上のパーティも余裕と思われる程であった。この別荘には何回かお世話になった。
 さて、佐久市辺りの街中2車線道路で上記の症状が発生した。初めてのことであったので????街中のこと一瞬パニック症状もあったが、ガソリンタンクの切り替えで以後は余裕のドライブ。
 和歌山から軽井沢まで名神、中央道経由で約500キロ。ジャガーもジジも(今よりは)若かった。

 2回目のガス欠エンスト
 10年ほど前であろうか、自宅の直ぐ近く。片方のタンクをほとんど使い切ったので自宅まで帰って翌朝給油しょうと思い、もう片方のタンクに切り替えたがこちらの方のタンクも残り僅か、“ひやひや”しながら走行中案の定上記の症状が発生。再度もとのタンクに切り替えたが数分でガス欠エンスト。
 契約しているガソリンスタンドに電話で応援要請。ポリタンクで救急給油してもらった。

 3回目のガス欠エンスト
 ジジも修理工場もパニック。
 昨年6月の車検で約1ヶ月工場入庫、しかしその後も、これまでに、温度メーター動作不良で約1週間工場入庫、クーラーガス補充とプラグ点火不良で約1週間工場入庫、、左ウインカー動作不良で約1週間工場入庫と続き、この6月に1年点検実施で工場入庫。その際エンジンオイル不足とワイパーのゴムが劣化しているのが見つかり、部品取り寄せ後再度工場入庫、このときプラグ点火不良の不整脈症状が出ていたので併せて点検交換の依頼をしておいた。このような経過で修理完了の連絡を待ちかねていたが、約2週間あまり経過した7/15(金)、工場から「これまで何日もエンジンをかけっぱなしで点検したが“大丈夫”、納車します。」とのこと。

 ジジは嬉しく、納車後1時間ほどしてから一回り試運転をしてやろうと出発した。約5分ほど走行したとき、ん!???アクセルを踏み込んでも回転が上がらないのである。しばらくして橋の上にさしかかったときエンジンが停止してしまった。
 ジジはプラグ点火不良の不整脈症状で修理工場に修理依頼、その修理が完了し納車になった直後のことであるから、エンジン不調ばかりに気が行きガス欠には全く思いが至らなかった(これまでにガス欠エンストの経験が2度もあるのにである)。直ぐにケイタイで修理工場に連絡した。工場の社長もびっくりし直ぐに積載車(キャリアカー)で迎えにきて、恐縮し車を持って帰った。

 夕方工場社長から「ガソリンはハイオクですか?レギュラーですか?」と電話がかかってきた。「ハイオクです」と答えて、しばらくして、はた!と気がついた、「ガス欠を起こしていたんやな。」と。
 折り返し工場に電話をして「ガソリンタンクは二つありボタンで切り替えになっているので、切り替えて貰ったらいいのですが!」と言った。「そうですか。もう20リットル入れましたが調子よくエンジンがかかっています。」とのこと。
 工場技術担当者にたいへん悪いことをした!!。エンプティランプが点灯していないし、タンクの切り替えなど町工場では知識が無いこと当たり前である。ジジもエンジン不調で修理依頼していたことから、その修理完了・納車の直ぐあとであったので、てっきりプラグトラブルだと思ってしまい、その先入観の影響でガス欠には気付かなかった。ジジと修理業者、どちらもパニック。
 ジャガーもジジも寄る年波。

 エンプティランプ(燃料残量警告灯)点灯後の走行距離
 これもご参考(になるかどうか)。エンプティランプが点灯してからどのくらいの距離を走行できるのであろうか?。メーカーを問わずたいていの自動車は、タンクの燃料残量が10リットルくらいでエンプティランプが点灯する仕組みになっているようである。そうすると、その車がリッター当たり10キロメートル走行可能であれば100キロ走行可能であることになるが、ジジの車は4キロ程度であるから40キロほどか(もっとも、ジジの車にはエンプティランプの設備がないので3回もガス欠エンストを引き起こしたのであるが)。
 ガス欠エンストという貴重な経験をしているジジのアドバイスは、「エンプティランプが点灯したら余裕を見て残走行距離50キロくらいを目安に給油すべき」ということです。