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あれこれ・あるがままに(第43回)    平成23年12月17日

  
年の瀬・メダカ池の水垢改善
  
 今年も残すところ10日ほどと押し詰まりました。この時期のことを〔年の瀬〕〔師走〕〔年末〕〔歳末〕〔暮れ〕などの言い方がありますが、今回は「年の瀬の由来」とこれに関連する話題です。
 年の瀬の「瀬」は、国語辞典で『川などの流れが浅く歩いて渡れる所。浅瀬。「―を渡る」⇔淵(ふち)。2 川の流れの急な所』とありますが、〔年の瀬〕の語源はこの「瀬」の景色により大きく二説あるようです。


 まず「浅瀬」の景色から。
 浅瀬に関連して「立つ瀬」「逢瀬」「浮かぶ瀬」などの慣用語があるが、いずれの言葉も川の瀬に立ち入った人の動き(立つ・渡る)のイメージがある。「立つ瀬」は、川の中で立っている立ち所の想像から「立場」の意味・「逢瀬」は、二人を隔てる川の瀬を越えて逢うシーンの想像から「愛し合う男女がひそかに会う機会」という意味・「浮かぶ瀬」は、淵で溺れそうになったとき全身の力を抜いて体を投げ出すようにすれば自然に体が浮いてやがて浅瀬に立つことができるというイメージから「危急の際は自分の命を投げ出すくらいの覚悟でやって初めて活路が開ける」というような意味で使われる。「瀬」は転じて「この瀬がなかったら」という「最後の拠り所」というような意味合いでも使われる。
 そこから、一年の最後の拠り所(場所)を〔年の瀬〕と言うようになったというのが、ひとつの説(諸説あり)。


 次に「早瀬」の景色から。
 こちらの「瀬」は、百人一首の「瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ」と詠まれた瀬のことで、水しぶきを上げて流れる急流の景色である。 この歌は、「瀬をはやみ」(川の瀬の流れが速いので)に続く「滝川」(山の谷間などの急流)という情景からすると、詠み人が見た景色は恐らく美しい渓谷美の急流であり、瀬の中程で岩に割かれた流れが再び合流するようにまた会いたいものだ、という恋歌であるが、歌は語源と直接の関係はない。語源の由来は、急流を越える大変さと年を越す大変さを重ね合わせた意味で〔年の瀬〕と例えたもののようである。
 どうして年を越すのが大変かというと、昔は盆と暮れの節季(せっき)に「節季払い(せっきばらい)」と言って半年払いの掛け買いをする習慣があり、庶民にとっては年末のツケ払いが大変でもあり気ぜわしくもアワタダシイ時の流れが年末であった。
 このようなことから年末のことを〔年の瀬〕と言うようになったというのが、もうひとつの説。


 さて、皆さんのお考えはいかがでしょうか?

 
 閑話休題


 年の瀬にあたり、我が坪庭の1年を振り返って最大のビッグニュースを一題。
 それは「水の中は不思議」ということである。ジジが庭の片隅にメダカ飼育用の溝と池を完成させ水を張ったのは平成19年10月 のことであった。
 (あるがまま第5回「めだか池」顛末記)
 (庭の花おりおりH23年5月表紙)


 完成後最初の難儀は水漏れであった。この問題は空気漏れと同じように漏れている箇所が目に見えないので苦労し、解決まで1年ほどかかった。
 同じく「水垢」と「苔」の問題も最初からの悩みであった。まず、水垢。溝の石や池の縁に茶色のぬるぬるがべっとりと貼りつき、見苦しいので頻繁にぬぐい取っていた。最初水替え用の水を井戸水にしていたので、井戸水の水質検査をしたところマンガン(黒金気)の値が少し高かったので、これが原因かと思い水道水のカルキ抜き装置を作り水道水に切り替えたが改善しなかった。
 それと、苔。藍藻、黒髭藻(ヒゲ状藻)である。藍藻は青のり状の藻が石などにべっとりと付き触ると大変くさい臭いがして閉口していた。また、ヒゲ状藻は大変繁殖力が強く常に手作業でとっていたが、あるときは水位を落とし料理用携帯バーナーで焼いたりしたが、根絶できずこれも閉口していた。


 ところが、苔も水垢も急激に改善する状況が生じたたのである。
 思い当たるのは、今年3月にカワニナ(川蜷、、ホタルの幼虫の餌で知られる)100匹ほどを溝、池に放したことであるが、水質浄化が目的ではなく、苔を餌にするのではないか、あわよくばホタルの幼虫も入れられるのではないか?と考えたからである。カワニナの放流後しばらくで苔の方に効果が除々に出始め、そのうえ時間が経過するにつれ水垢も少なくなってき、水の透明度も増すという想定外の効果が出てきたのである。現在、溝の水は清流のように澄み、全体に水垢もすっかりとれて気持ちよい水場の景色になっている。
 どのような仕組みで水質浄化が進んだのか?バクテリアや浄化微生物の量のバランスが良くなったのであろう。微妙なことで水の中で何があったのか、不思議としか言いようがない。
 およそ4年もの間悩まされてきた難儀なことであったので、他人には分からないかも知れないが、ジジにとってはビッグ!ビッグ!ニュースなのである。