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あれこれ・あるがままに(第89回)    平成27年9月23日
                          
  
関東・東北豪雨災害

 気象庁は9月9日から11日に関東地方と東北地方で発生した豪雨について、「関東・東北豪雨」と命名したという。4年前には「紀伊半島大水害」と命名された豪雨災害を目の当たりにしていたので、テレビの報道画面は人ごとと思えなかった。
 以下、二つの豪雨災害の状況をWEB情報をもとに検証した。

降水量
 降水量は紀伊半島大水害の方が大幅に多かったようである。

<関東・東北豪雨>
 栃木県では大雨となり平成27年9月8日~10日の積算雨量が600㎜超
 宮城県では9日~10日の積算雨量が400㎜超
 (ウェザーニューズ予報センター発行日: 2015年9月17日)

<紀伊半島大水害>
 平成23年9月4日、奈良県上北山村で1814.3mm
 三重県大台町宮川で1630mm
 十津川村風屋で1360mm
 和歌山県那智勝浦町大野の色川で1186mm
 古座川町西川1152.5mmの記録的豪雨。
 国土交通省観測点の大台ヶ原(奈良県上北山村)では9月4日、2433mm
 (ウィキペディア平成23年台風第12号)

人的被害及び住家被害
 データはWEB情報から拾い出した数字であるので引用が正確でないところがあるかも知れないが、関東・東北豪雨災害の方は住家被害が甚大であるのに対し、紀伊半島大水害の方は人的被害が大きいのが特徴である。

               < 関東・東北豪雨災害> <紀伊半島大水害>
 【人的被害】  死者           8              72
           行方不明者        0               16
 【住家被害】  全・半壊          20              89
           一部損壊         96              43
          床上浸水        7154            585
          床下浸水       11804             499

河川災害の特徴
 関東・東北豪雨の河川災害は堤防の決壊という比較的平野部での災害(キーワードは堤防決壊)であり、紀伊半島豪雨の河川災害は土砂崩れによって発生したせき止め湖の出現という険しい山間部の災害(キーワードはせき止め湖)であることが特徴である。この結果は関東・東北平野部の米どころというイメージと世界遺産の急峻な熊野古道のイメージが重なる。

<関東・東北豪雨>
 氾濫して浸水被害を及ぼした川の数は、茨城県と栃木県、それに宮城県を中心に、関東や東北などの72
 このうち、堤防が決壊したのは、茨城県常総市の鬼怒川、茨城県境町の宮戸川、栃木県那須塩原市の箒川、栃木県さくら市の荒川、宮城県大崎市の渋井川など、3つの県の19の河川
 鬼怒川の堤防が決壊した常総市では、一時、浸水面積が最大でおよそ40平方キロ(市全体の3分の1)に及ぶ

 <紀伊半島大水害>
 浸水等の住戸被害は奈良・和歌山・三重の三県に集中
 熊野川下流域打破同川の氾濫により新宮市では約110ヘクタール、紀宝町では320ヘクタールの広範囲に浸水
 土砂災害が106件(土石流、地すべり、がけ崩れ)発生
 土砂崩れによって発生したせき止め湖が奈良、和歌山の両県で17カ所確認され、このうち規模が大きく決壊の可能性があるせき止め湖は5カ所発生

まとめ(ジジの心配)
 最近、とくに降雨の状況について、「観測史上初めて」とか「今まで経験したことがないような」という表現を目にする。この原因は「地球温暖化の影響」であることは疑いがない。ジジの子や孫の世代への心配はますます地球温暖化の影響が大きくなって行くのではないか!ということである。