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あれこれ・あるがままに(第70回)    平成26年2月22日

  
東京都知事選の結果
 

 本コラム欄の前回69回で「東京都知事選の興味」と題してジジの興味を話題にした。興味の中心は、一つは細川・小泉元首相が争点として提示した「脱原発」であり、もう一つは「両氏の年齢」であった。
 都知事選の結果は桝添氏の圧勝であったが、当選記者会見では「東京を世界一の街にする。福祉もそう、防災もそう、経済もそう、何より2020年のオリンピック(パラリンピック)を成功させる」と語られていた。また同氏は原発問題を選挙の争点にすることは避けたが、「私も脱原発だ。しかし即ゼロということでは経済が混乱するので原発依存度を段階的に減らす」という見解を述べられていた。

 「原発問題」については、再稼働を含め積極的な意見を述べた候補は田母神候補だけであったので、選挙結果は少なくとも「原発推進」を選択したものではなかったと総括したい。
 その上で、ここは「世界一の街にする」という桝添氏の手腕に期待しょうではないか。

 次に、「細川氏76歳、小泉氏72歳」という年齢の件であるが、両氏とも酷寒の寒風の中にもかかわらず選挙演説はおざなりではなかった。両氏が訴えた「脱原発」はジジも引き続き訴えていきたいと思っている。

 閑話休題
 さて、ここまでの原稿は知事選の結果が出た直ぐ後で書いておいたが、今日2月22日(土)、2並びの日の早朝、本コラムの結びに入るためパソコンに向かった。ヤフーの画面ではソチ五輪フィギュアスケートで感動的演技をした浅田真央さんの美しい涙の笑顔が貼り付けられ、たら婦人が厨房でつけているテレビからはオリンピック関連の話題ばかりが聞こえている。平和である。
 しかし、同じ画面で「ミスか故意か・・・汚染水漏れ、誰かが弁を開閉」という見出しに続き、福島第一原子力発電所で高濃度汚染水110トンが貯蔵タンクからあふれた問題の原因が取りあげられている。人為的ミスであるという。

 都知事選では原発推進を積極的に主張した田母神候補の支持層が20代と40代に多く、男女別では男性が圧倒的に多かったと分析されている。いったい原発リスクの敏感度は体力に関係があるのではなかろうか、と思わされる。
 ジジは思う。70を過ぎ、オリンピック中継の興奮も身が震えるほどでなくなると、いたいけな孫の健やかな成長がより気になるようになるものである。そして余す時間が少なくなっている。ジジは思う。全国の原発が一基も稼働していない今こそ「原発即ゼロ」政策のチャンスであると思う。
 昨年11月、小泉元首相は日本記者クラブで講演し、「政治で一番大事なことは方針を示すことだ。原発ゼロの方針を出せば、必ずある人が良い案を作ってくれる。内閣に原発ゼロに賛同する識者を集め、専門家の知恵を借りて結論を尊重して進めるべきだ」と語り、更に、放射性廃棄物の最終処分場について「(場所を見つける)メドがつけられるという方が無責任だ。政治の責任で進めようと思ってもできなかった」と語ったという。ジジはこの見解を支持する。

 若者は、段階的に原発を減らす政策により、2020年(平成32年)開催予定の東京オリンピックは原発エネルギーで華やかなイベントである方がベターだと思われるのかも知れません。しかし、あなた方の子や孫に降りかかる災厄のことを考えて下さい。「段階的に脱原発」ということは限りなく与太話に近いものだと断定したい。ジジは、東京オリンピックをエコエネルギーを世界にアピールする一大イベントにしたいと思うのです。