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あれこれ・あるがままに(第47回)    平成23年4月20日

  
 西国三十三番札所巡礼

 西国三十三所観音霊場への夫婦同行巡礼は現在2巡目の途中であるが、1巡目は20年近く前のことであった。霊場巡りの目的は、観音菩薩に手を合わせることもちろんのこととして、霊場各寺院の凛とした雰囲気を感じること、そして、季節折々の桜や紅葉見物である。しかし、本音のところは各霊場札所で納経帳に御朱印と墨書を頂くのが目的の、いわばスタンプラリー的興味が大きいのである。なお、「霊場各寺院の凛とした雰囲気」と書いたが、うち山深いところにある二つの寺院の雰囲気は頂けない!!。2寺院ともスピーカーの音量大きく、一方は読経を流し、他方は「ようこそお参り下さいました。上の方に回って頂きますと天然記念物の松の木があり・・・・」と繰り返し流しているのである。


 先に「スタンプラリー的」と書いたが、1巡目の札所巡りは納経帳と納経軸に御朱印と「ご本尊様の墨書」を頂いて巡ったが、2巡目は納経軸に御朱印と「ご詠歌の墨書」と納経用の白衣に御朱印を頂きながら巡っている。1巡目の納経軸は既に三十三所と番外寺院を満願して掛け軸に表装したが、各寺院の「ご本尊様の墨書」の軸は格調と御利益が感じられる。また、2巡目の方は「ご詠歌の墨書」であるので満願後の表装軸は観音菩薩のご慈愛が感じられる優しい出来上がりになると思っている。


 さて、この4月9・10日に一泊コース、同月14日に日帰りコースの2回に分けて2巡目9寺院を自動車で巡拝してきた。これで残りは奈良県内の六番から九番までの4寺院となった。


 4月9日(月)の行程
 午前8時出発、快晴、この日は醍醐の桜と西国三十三所最大の難所である上醍醐寺とほか3寺院の参拝を予定をしていた。この時期の大阪方面自動車コースは特筆したいことがある。それは阪和道の紀ノ川サービスエリアから岸和田 サービスエリアに至る山間部の山桜の美しさである。山全体が薄墨桜色のような山桜に覆われた景色はほんとうに美しい。この日もちょうど良い時期であった。


 第十一番 上醍醐寺(和歌山から醍醐寺まで走行約123キロ)
 目的地で想定外の連続。醍醐寺手前から渋滞のため予定より少し遅れて午前10時半頃到着したが、駐車場が満車のためだいぶん離れた市営醍醐駐車場へ止め、タクシーで醍醐寺へ。
 太閤の醍醐の桜は8部咲きで見事であったが、お天気がよくたいへんな人出であり、時間が遅れていたこともあって11時半頃から上醍醐寺へ登山開始。健脚ならば片道1時間コースであるが、1時間半がかりで夫婦ともよれよれの状態でたどり着いた。
 ここでも想定外の出来事。一つは、上に茶店があったと思いこんでいたが、4番札所の槇尾山施福寺(ここも難所)と思い違いをしていた。更に想定外の極めつけは、納経所の上醍醐准胝観音堂が平成20年8月の落雷で焼失していたのである。
 携帯電話で醍醐寺に連絡すると、現在は下の醍醐寺金堂横に仮納経所があるとのこと!!。な、なんと!登山の必要がなかったのか!!。昼食もとれずに、のど飴一つを口に入れ、下りコースも1時間半、へろへろのよろよろ。上醍醐・最大難所、どうしてでも!という思い入れが強く、下の醍醐寺にあった案内に気付かなかった。おまけに参考にした案内書が巡礼1巡目に使用した20年近く前の本で、当然のことながら納経所落雷焼失の記述はない。
 納経を済ませて、醍醐寺境内の屋台できつねうどんを口にしたのは午後3時前。


 びわ湖雄琴温泉・湯元館(醍醐寺から湯元館まで走行約20キロ)
 その日は、上醍醐寺のあと三室戸寺・岩間寺・石山寺の3寺院巡拝を予定していたが、疲れが大きかったのでこれら3寺院は次の機会として、宿泊旅館に移動した。


 4月10日(火)の行程
 第十四番 三井寺(湯元館から三井寺まで走行約11キロ)
 天気快晴。お目当ての桜はちらほら咲き。


 第二十一番 穴太寺(三井寺から穴太寺まで走行約37キロ)
 第二十番  善峯寺(穴太寺から吉峯寺まで走行約19キロ)
 第五番   葛井寺(善峯寺から葛井寺まで走行約64キロ)
        〜和歌山まで約70キロ
        4月9日・10日走行合計約345キロ

 4月14日(土)の行程
 前回予定していたのに行けなかった三室戸寺・岩間寺・石山寺の3寺院巡拝と京都市内の5寺院の巡拝予定。


 <午前中のコース>
 午前中小雨、石山寺到着の頃から晴れ。
 第十番 三室戸寺(和歌山から三室戸寺まで走行約115キロ)
 第十二番 岩間寺(三室戸寺から岩間寺まで走行約18キロ)
 第十三番 石山寺(岩間寺から石山寺まで走行約6キロ)
 満開の桜を堪能。


 <午後のコース>
 自動車を清水寺近くのパーキングに駐車。清水寺と六波羅蜜寺を徒歩で巡拝し、そこからタクシーを待たせながら3寺院を巡拝した。
 第十六番 清水寺(石山寺から清水寺近くのパーキングまで走行約19キロ)
 第十七番 六波羅蜜寺(清水寺から徒歩)
 第十五番 観音寺(六波羅蜜寺前からタクシーに乗車)
 第十八番 六角堂(タクシー)
 第十九番 行願寺(タクシー)
        パーキングから〜和歌山まで走行約120キロ)
        4月14日走行合計約260キロ


 自動車での巡拝について
 三十三所巡りは1巡目も2巡目も自動車を利用しているが、2巡目巡拝の車中では、毎回「前の1巡目のときはカーナビなしでよう全部まわれたな!」という話題がでる。1巡目は20年近く前の平成5年頃のことで、今も現役の「ジャガーダイムラーダブルシックス(平成4年登録)」でまわった。この車にカーナビを設置したのは平成7〜8年頃であるので、1巡目のときはカーナビなしでまわったのである。和歌山・大阪・兵庫・京都・滋賀・岐阜の各府県に点在する33所と番外3所をカーナビなしで道路地図だけでまわったというのは、今思うと「ほんとによう行けたなー」という気がする。
 

 それにつけても、西国三十三所巡礼は真偽はともかく奈良時代に起源をおき、のち花山法皇(寛和2(986年)出家)が巡礼したという伝説があるそうであるが、自動車がないつい最近まで巡礼は「徒まわり」(徒歩でまわること)しかなかった。カーナビどころか今のような道路地図もない時代、よう行けたなー!!。
 西国三十三所巡礼は観世音菩薩と「同道二人」で行く道、昔の人の信仰心は厚かった、昔の人は偉かった。