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あれこれ・あるがままに(第149回)  令和2年9月26日
                          
  
菅新政権発足

 9月16日に菅新内閣が発足したので一言コメント。

 前任の安倍首相の在任期間は、第1次が平成18年9月26日~平成19年9月26日(1年)、第2~4次が平成24年12月26日~令和2年9月16日(7年8ヶ月)である。第2次内閣以降の首相の連続在職日数は2822日、第1次政権を含む通算では3188日となる。いずれも憲政史上最長の政権担当期間であった。敬意を表し、ご苦労様でしたと申し上げたい。

 さて、菅新内閣のこれまでの評判であるが、党人事、閣僚人事とも肯定的に受け止められ、報道各社が先に実施した世論調査は、内閣支持率が60~70%台となり、いずれも第2次安倍内閣の発足時を上回ったという。管首相が非世襲のたたき上げであることに加え、国民に身近な携帯電話料金の引き下げや不妊治療の保険適用などを、看板政策に掲げたことが好感されたのであろう。加えて、「令和」の元号を官房長官として発表する姿がテレビに映ってから、「令和おじさん」と親しまれた影響もあろう。

 管首相の看板政策は、田中角栄元首相の日本列島改造論、池田勇人元首相の国民所得倍増計画、安倍前首相のアベノミクス等のような派手さはない。地味である。しかし、国の方向性はその時代に応じた方向性が策定されるべきであるから、派手なネーミングが政策的に勝るということではない。
 只、上にあげた各元首相のような派閥の長、または派閥有力者の来歴でないから、現段階では全体として軽く受け止められるのは否めない。象徴的なのは、麻生長老高齢大臣が派閥の会合で管(すが)首相のことを「かん(管)首相!かん(管)首相!」と二度も繰り返し発言があったというニュースを目にした。この方の漢字の読み間違いは一度二度のことではないが、管(すが)氏が派閥の長のような来歴であればいかに漢字の読みが苦手の方であっても間違われるようなことはなかったと思うのである。

 そういえば、平成23年3月発生の東日本大震災・福島原発事故当時の首相は、同じ「管」の字の表記の「管(かん)首相」であった。
 今後、現・菅(すが)首相が存分の活躍をされ、名宰相と言われるようになった時には、「菅首相(「すが首相)」の一義で読み間違われるようなことはなくなると思う。期待を申し上げる次第である。

 「名宰相」に関連して、本稿とは関係ないがもう一言。
 米国のトランプ大統領は、自分は「名大統領」であると思っていると思う。大統領選挙は11月であるが、米国メディアの現下の世論調査の結果は対立候補にリードを許している。しかしトランプ氏はこの結果を受け入れていないようであり、最近、もし自分が負けるようなことがあれば選挙に不正があったはずであり、最高裁判所で決着をつけるなどと息巻いている。

 そこで、大統領選の予想であるが、ジジは世論調査の結果にかかわらず、トランプ氏優位ではないかと考えるのである。理由は「隠れトランプ」の存在が大きいと考えるからである。すなわち、トランプ氏が自国第一主義をあからさまに標榜しその粗野に映る物腰に対して、心はトランプ氏の主張支持であるが、自身を良識派と思っている国民は、世論調査の質問に「トランプ支持」と明確にしない・はばかる層(これが隠れトランプ)が多数存在すると思うのである。前回のクリントン氏との選挙戦でも、この隠れトランプが大きく影響したのではあるまいか。失礼、お詫びします。