和歌山弁護士会々報(第20号)   昭和56年5月発行


              私   の   抱   負
 
    今日の新聞朝刊各紙にゴルフ場の破産事件に関して、管財人の弁護士と担当裁判

   官であった判事補が贈収賄容疑で逮捕されたニュースが報道された。鬼頭事件、裁判

   官の暴力事件、簡裁判事の女性問題なども耳新しいところであり、最近、法曹界は不

   祥事続きである。私こと開業時すでに三八歳、十分自重してケガのないようボチボチと

   やってゆきたいと考えています。それから、私は、ネオン河での一本釣りは全く不得手

   ですが、紀の川でのハス釣りには多少自負しているものがあり、これから敢えて暇をつ

   くっては、わが母なる川「紀の川」のハス釣りや、また、自宅近くの和歌浦あたりで海の

   小物釣りも楽しみたいと考えている次第です。

 

 追記
    世に偶然という出来事がある。

    私の父は明治27年(1894年)生まれ、「田中清一郎」という名前であった。

    右上の「和歌山弁護士会々報」表紙の写真をクリックしてみてください。目次に次の

   記載がある。

        秀才に新風を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田中清一郎 ・・・・・・・・21

        私の抱負 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田中  昭彦 ・・・・・・・・23

    私は昭和18年(1943年)生まれ、父の数え年50のときに生まれた。

    父は昭和39年(1964年)、私の19歳のとき没したが、私の方は以来きままな生活。

    試験に合格し、2年間の司法修習を終えたのが昭和56年(1981年)、その年和歌

   山弁護士会に入会、同時に法律事務所を開業。

    ようやく開業できて間もない5月、上記の目次を目にした。偶然とはいえ、父の励まし

   のように思え、不思議な気がした。


    この「秀才に新風を」の稿を書かれた田中清一郎氏は、当時、和歌山市内の大手化

   学会社社長で、調停委員をされていた方である。