　　　　　　　　　　　　　　　　　　　朝日新聞の年頭挨拶記事

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成１１年１月１日掲載
　　　　　　　　　　　　　　　　

　あけましておめでとうございます。

　紀州和歌山は、万葉人も称えた、自然が美しい土地柄ですが、昨年は、日本国中を騒が

せたカレー毒物混入事件をはじめ、県内有力ゼネコン及び信用組合の経済的破綻、和歌山

市政にからむ不祥事など、和歌山発全国版の暗い嫌なニュースが続きました。新しい年は、

『住んで嬉しい和歌山』であって欲しいと思います。

　さて、わが国は、戦後５０年にわたり、行政の保護のもとで経済至上主義、効率第一主義

が追求され、めざましい経済発展を遂げてきました。しかし、他方では社会全般にわたり多く

の歪みを生みだし、社会的にも経済的にも大きな変動期にあります。このように、混迷する

社会、変革の時代にあっては、何より『公正な法による社会正義の実現』という指導理念が

要請されるのではないでしょうか。

　私たち、弁護士・弁護士会は、右の指導理念を体し、市民に身近で信頼される司法をめざ

して諸活動を実践したいと考えています。県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ

ます。　

　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　讀賣新聞の年頭挨拶記事

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成１１年１月４日掲載