週刊報道ワカヤマ Y75(2006年7月28日)
                              

     
時  事  折  々 (第19回)  田  中  昭  彦

                       花 お り お り

                                  
                                   (表題 編集人藤原無我氏)

 寄る年波で、駄文の定期寄稿はその内容の軽薄さとは裏腹に気が重く、勝手ながら自由

寄稿者ポスト入りを希望。そんな訳で、今回の書き出しも負担のないジジの趣味の花から。
 
 今、坪庭と玄関前の植木鉢などに咲いている花々。ヌスビトハギ(盗人萩)、センリョウ(千

両)、マンリョウ(万両)、ミズヒキソウ(水引草)、ネジバナ(捩花、別名・小町蘭)フウラン(風

蘭、別名・富貴蘭)、ギボウシ(擬宝珠)、ホテイアオイ(布袋葵)、シチフクジン(七福神)、コ

エビソウ(小海老草、別名ベロベロネ)、ジュズサンゴ(数珠珊瑚)、ノボタン(野牡丹)、ハク

チョウソウ(白蝶草)、キキョウ(桔梗)ヤマホロシ(山保呂之)、アオイロフジバカマ(青色藤

袴)、ムラサキツユクサ(紫露草)、クサハナビ(草花火)、チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔、別

名・曼陀羅華)、ヤマゴボウ(山牛蒡)、ビナンカズラ(美男蔓)、ノウゼンカズラ(凌霄花)、ラ

ンタナ(別名・七変化)、ブーゲンビレア、イソトマ、キャッツテール、クフェア、ベゴニア、アメリ

カンブルー、ブルーサルビア、ブルーエルフィン、ブルーデージー、ブルースターなど。このよ

うに書くと、「そこそこ広い坪庭」のようであるが、人呼んで「魔法の庭」。その心は「あの狭

い庭であれだけの種類の花がどうして?」というもの。(花々の写真はジジのHPに公開中・

暇な人は→ヤフー検索・「田中・遠藤法律事務所」と入力→リンク先・庭の花おりおり)

 花の名前は、花の形や習性に由来することが多く、和名や漢字の当て字は美しい表現が

多い。しかし、時としてその花に気の毒とも思えるネーミングがされていることがある。前記

の花ではヌスビトハギ(盗人萩)がそうであるが、これはこの花の実の形が8の字を押しつぶ

した薄型のメガネ型であるのを、盗人の忍び足の足跡に見立てたという。なお、ヤマホロシ

はナス科の蔓性多年草で白や紫がかった花はナス科特有の花形で美しいが、その近縁種

で花形もそっくりのワルナスビ(悪茄子)という花がある。道端や道路のグリーンベルトなど

で見かけることがあるが、繁殖力が強くいったんこれが根付くと絶やすのが困難な厄介者、

また、鋭い棘を持つならず者なので、花は美しくとも「悪ナスビ」である。茄子といえば、ジジ

の父親がその昔「親の意見と茄子の花は万に一つもはずれなし」(全て実が付く→当たって

いる)と小言を言ったのを思い出す。父親・明治27年生まれ、その満48歳の時の子供であ

ったので「四十八(ヨソハチ)」というが付きかけた。ヘクソカズラ(屁糞葛)は花などをもむと

悪臭がすることから。オオイヌフグリ(大犬陰嚢)の名前は解説しない。幼児虐待のニュース

を見て思い出す花はママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)。葉や茎に棘があるが、このような

草で尻を拭きたいほど、継子とは憎らしいのか?極めつけの悪名でおしまい。