週刊報道ワカヤマ Y67(2006年6月2日)
                              

   
時  事  折  々 (第17回)  田  中  昭  彦

                       2 泊 3 日 の 小 旅 行

                                  
                                   (表題 編集人藤原無我氏)
 
 たまたま、さいたま地方裁判所川越支部への出張と東京霞ヶ関にある日弁連会館での委

員会に出席のため、5月20日土曜日から二泊三日の小旅行をした。旅程は次の通り。振り

返って、予定した時間配分も申し分なくコース消化率100%、計画自体!は上々。
 
 初日のコースは、マイカーで関空まで、そこから特急「はるか」で新大阪、新幹線「ひかり」

に乗り継いで三島へ、次いでレンタカーで伊豆半島西海岸経由修善寺温泉。本日のメイン

は、一度は止まってみたい日本の名旅館「柳生の庄」での一泊。
 
 二日目の予定は富士見ドライブ。まず伊豆スカイラインから芦ノ湖へのコース、途中十国

で富士山を見ながら休憩し、芦ノ湖、箱根街道、山中湖、御殿場、富士吉田と場所を変え

る毎の富士の顔を見る「富士見観光」が本日のメイン(希望)。次いで中央自動車道で八王

子インターまで、そこから横須賀地横を通過、午後3時半頃宿泊予定の川越プリンスホテル

にチェックイン。夕方、小江戸と言われている川越一番街の蔵の街、時の鐘、菓子屋横町な

どの観光。

 三日目、ジジは午前中裁判、たら婦人はお土産の調達。昼頃に東武東上線で池袋へ、そ

こから営団丸ノ内線で移動、たら婦人は途中の銀座で下車、ジジは霞ヶ関まで一駅。午後3

時頃日弁連会館で合流し、浜松町までタクシー、東京モノレールで羽田空港。4時半出発の

JL便で関空へ、預けておいたマイカーで帰宅。

 一日目のメインである「柳生の庄」は何かにつけて行き届き、戸や障子の建付も良し。その

障子を開け閉めする仲居の振る舞いで思い出したのは、「上スラリ、中パッタリで、下々の

下は閉めもせず」という言。「上品な人は音を立てずに開け閉めし、中品の人はパッタリと音

を立て、下々は閉めることもしない」という意味で、家に戸障子が多かった昔の諭しである。

  二日目の富士見観光は、今回の小旅行のメインでもあったが、晴れているのに霞みがか

かって一度も顔を見せず。日頃の精進の悪さか、最近ネオン街への寄進が少ない故か?

 予定外の出来事は帰りのフライト。東京帰りで明るい時間帯のフライトは久しぶりである。

離陸して間もなく、下は一面の雲海が広がり、その上は所々薄雲のブルースカイであった。

が、突然雲海の中にそびえる富士山が現れたのである。頂上付近にはなお白い糸を引いた

雪が残り、折からの夕日に染まる景色に、思わず「まるで北斎の赤富士やな!」と語りかけ

ると、たら婦人曰く「赤より黒がかっているように見えるけど!」と。ジジは「赤に見えるが

な!」と強弁。