週刊報道ワカヤマ Y55(2006年3月10日)
                              

       
時   事   折   々 (第14回)       

                       花粉曝露実験設備

                                  
                                   (表題 編集人藤原無我氏)

 時 事 折 々

 1月いぬ、2月逃げる、3月去る。もう3月の声。水はまだ冷たいが、日が経つにつれ障子

越しの朝の陽光が明るさを増し、寒さも一雨ごとに緩む季節である。


 2月2日、次女夫婦がビザ更新のためアメリカ・ピッツバーグから2年ぶりに一時帰国した。

渡米時は新婚の夫婦であったが、生後5ヶ月のボーイが増え、3月2日まで約1ヶ月の滞在

予定。それぞれの実家に行ったり来たりで、たら婦人は大忙しの大わらわである。


 そんな中の2月4日夕、有馬温泉に長女夫婦も加えた3組の夫婦で1泊した。長女夫婦の

方は6歳のボーイと生後9ヶ月のガールの子連れ。合わせて孫3人(5ヶ月、9ヶ月、6歳)は

アメリカン(国籍もある)ボーイを交えて従兄弟会、「無くて七癖あって四十八癖」と言われるが、

1歳未満のガールとボーイにまだ癖はなく、6歳のボーイはようやく一癖、ヤンママ2人は七癖、

1人のシニア婦人は四十八癖か?2人の夫は義兄弟のよく食べる会、2人のヤンママは話に

おしまいのない姉妹会、ジジとたら婦人は勘定払います会。(ここまで数字づくし。

 なお、本誌35号で、アメリカで出会ったカシミール地方出身の若夫婦が一時帰国中に同地方

で大地震が発生したことを書いたが、次女夫婦の話では二人とも無事でアメリカに再入国して

いるとのこと。)



 花粉暴露実験設備

 2月の後半から3月初旬、この時期はスギ花粉の飛散が最中のシーズンである。近時花粉

症に悩まされる人が増えた。先の有馬行きメンバーでも、たら婦人と長女、そして次女の夫

がそうである。

 花粉症はスギやヒノキ科の花粉に過敏に反応をして、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆ

症状であるとのこと。ジジなどは、山里でスギやヒノキ、ナタネなど色々な花粉にまみれて育

ったのに、よっぽど花粉に対するキャパが大きいのか、未だ花粉症には無縁である。


 しかし、実は、ジジは花粉症に無縁ではなく、大きなかかわりを持っている。それは、「NP

O日本健康増進支援機構」(JHPSN)の副理事長という立場のことであるが、このNPO法

人は花粉症の研究者で知られる医療センター耳鼻咽喉科部長が理事長を務め、現在二つ

の事業を中心に活動している。


 その1は、有田川町(旧吉備町内)に世界でも最高レベルと自負できる「花粉曝露実験設

備」を建設し、研究者に開放していることである。この設備のメインは、約46坪の実験棟内

に設置している八角形の花粉曝露実験室である。実験室内に被治験者約25人を入室させ

ることができ、あらかじめ採取しておいたスギ花粉等の花粉を自然界の推定飛散状況に合

わせて継続的に曝露させる装置であり、アレルギー疾患の治療薬や健康食品の治効を検

証する人体実験装置である。現在、医療分野及び製薬分野、また食品の効能面の研究に

も利用され、もって国民の健康増進という所期の目的に沿って活用されている。


 その2は、このNPO法人内に、右のように人を被治験者としたり、また、人の血液を使って

行う研究計画等に関し、倫理面から妥当性を評価する機関として「倫理審査委員会」を組織

していることである。この委員会のメンバーは、近畿圏医大教授や病院所属医師等の医療

専門家と法律家合計7人で構成され、これまで医療研究のほか血液検査機器の開発等多

数の研究計画について審査を行ってきた。こちらの方の活動でも、委員の1人として委員会

毎に(月に1回くらい)細かい字と難解な専門用語に苦闘しているのである。

 それでは最後に、花粉症の皆さーん、「早く4月の声が聞きたいでしょうねェー」。