週刊報道ワカヤマ Y39(2005年11月11日)
                              

       時   事   折   々 (第10回)      

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                   首相の靖国参拝に対する爺評価

                                  
                                   (表題 編集人藤原無我氏)
       
                                   時 事 折 々        田 中 昭 彦
 
 最近、同居婦人が「あのとき六本木ヒルズでなく、靖国神社へ行っとけばよかった。」という

言葉を何度か口にする。「あのとき」とは、今年6月に東京都庁で開催された会議に出席す

る時事(爺)に同行したときのことである。婦人は、そのときは会議のある午後の時間の過ご

し方を、迷わずオープンして間もない最先端の「六本木ヒルズ」と決めていて、そのとおり行

動した。しかし、最近、ワイドショーまで「小泉首相靖国参拝」をとりあげるという社会現象が

起こったことから、「あのとき」靖国神社が六本木の直ぐ近くであったことに気がつかなかった

のを、歴史的イベントに参加の機会を逸したかのように悔しがるのである。しかし、本当のと

ころは、「六本木ヒルズ」は高齢婦人の一人歩きには余りにも異質空間であったセイであろ

う。懲りたのか、時事(爺)が婦人の言葉を聞いて、「今度の話題は、ライブドア・楽天・村上

ファンドの、いわゆる”六本木ヒルズ族“ にし ようと思うが・・」と言ったところ、すかさず、「止

めといた方がいいよ。大変よ。」との言辞。
 
 なにが大変なのか知らないが、ともあれここは婦人の助言に従い「小泉首相靖国参拝」の

話題に切り替え適当に左見右見しようとする次第。「適当に」とは少し不謹慎かも知れない

が、婦人の先の言葉も「お参り」ではなく、「行っとけばよかった」であって、少し敬虔さに欠

けないか?

 さて、10月19日朝日新聞の1面見出しは、同社の緊急世論調査結果に基づき『首相の靖

国参拝・賛否二分、「よかった」42%・「良くなかった」41%、中韓関係「心配」65%』とあった。

最近この問題はワイドシュー・ネタになり、芸能人から評論屋まで好き勝手に(悪くない)自

論を展開しているが、時事(爺)は右の世論調査の結果が実によく現下の民意を表している

ように思う。 

 以下、小泉首相の説明とこれに反対の立場からの言い分について時事(爺)のポイント評

価。
 
 小泉首相の説明
 
 「戦没者に対する哀悼のまことをささげ、二度とあのような戦争を起こしてはならないという

気持ちで参拝している。これが憲法違反というのはどういうことか」。

 国民としての立場においてはたいへん説得力があるが、首相の立場からの説明がないの

でポイント0、5。
 
 右の説明に対する反対意見
 
 靖国神社は「国家神道」の中枢として旧体制の「政治的シンボル」であった。日本国憲法は

その反省の上に立って「政教分離」を掲げたのであって、首相という立場での参拝はこれに反

し憲法違反である。
 
 憲法擁護の立場から正論であり、ポイント1。
 
 外交面からの反対意見
 
 中韓関係をはじめ東アジア地域各国との関係に悪影響がある。
 
 そのとおりであり現に影響が出ているが、ポイント的には0(その理由は長くなるので紙数

の関係上またの機会とする)。

 時事(爺)は、適当に熟慮を重ねた結果、右のポイント差し引きの0,5だけ反対という結論

である。